「ママ、美味しいね」と君が言ったから七月十一日はズッキーニ記念日
俵万智さんのサラダ記念日を模しました、だいぶ字余り。
歌人の俵万智先生もママです。
2016年の流行語大賞「日本死ね」の際の審査員でもあらせられます。
子育て歌集『たんぽぽの日々』良いですよ〜。
子育て中でも、ギリ読める分量です。
私はこの本を、二人育児が大変でどうしようもない時期に友人に勧められ、代々木図書館で借りました。
貸出期間が2週間あっても、読み切れませんでしたが、産後の久しぶりのひととき読書。数ページめくれただけでも幸せでした。
そして、タイトルのズッキーニです。
”偏食君”呼ばわりしていた息子がペロリと平らげました。
私、スタンディングオベーション‼︎
以下、前説。
私には料理コンプレックスがあります。詳細は端折りますが、実の母が原因です。
このコンプレックスだけは子供たちが物心つく前に、どうしても克服したいと思っています。
私は自宅に友人を招くのが好きです。荒療治として、パーティーを開くことで料理に果敢に挑んでいます。
料理の先生は長らくクックパッドでした。流行りの作り置き、時短お弁当を頑張った時期もあります。
ダブルケア時代は、母の介護食、息子の離乳食、夫の普通食を作り、私はポテチを主食に副菜は残飯、でした。
母、息子、夫、誰からも礼を言われず、労われず、食べ残され、気分は奴隷でした。
暗い話はやめましょう。
その後、スイミーで自分を取り戻し、心身が健康になってからは、“私が”食べたいメニューを思いつけるようになりました。
今では、“私が”好きな野菜料理を食卓に並べています。最近の料理の先生はインスタです。
でも、うっかりすると副菜だけが並び、私だけが美味しく食べている回もあります。
以上、前説おわり。
そんな私です。
第一子である息子のための離乳食作りは、ことごとく失敗でした。要は下手。もう残念としか言いようがない。
だってそん時、スイミーの離乳食講座、やってなかったもん。
息子が生物として偏食だったのが、親の私が偏食に育てたのか、知る由もございません。
でも、まぁ、責めますよね自分を。母ですもの。
私が悪い、当時は200%そう思っていました。
自分で自分に極刑を下してる感じ。しかも毎日。。。
あ、また話が暗くなってもーた。
失礼しました。
スイミーで出会った先輩ママや、スイミーさんのホッとひと息カフェのおかげで、私は何とか前向きに、なってしまった息子の偏食と向き合ってきました。
だって子育てに待ったなし、ですもの。
バナナ、白米、納豆、しらす、ミンチ、鮭、なるべく無添加のパンケーキミックス、で来る日も来る日も育てました。
まさか同じ物を食べさせられているとは、物心つくまでバレるまい、と高を括ったのです。
「お米に含まれる必須アミノ酸」という殺し文句で、夫が薄々抱き始めた「あれ毎日同じ?」という疑問を抹殺していました。
もちろん、ミンチやチャーハンに刻み野菜を入れる、なんて応用編はしています。刻める物はだいたい刻んできました。
保育所と保育園の給食が何よりの栄養源でした。ありがたかった〜。
連絡帳に完食の○印をもらえると、あぁこれで息子は生きられると安堵したものです。
もうすぐ息子は6歳になります。
バレました。
今夜の風呂上り。
息子「お腹すいたー」
ママ「秒でできるよー♡」ミートソース作り置き済。白米にかけて出すだけ。
息子「でもさーあのー小さいお肉の赤い、いつものー」
ママ「ミートソースね♡」
息子「そうそのーそれじゃない他の物がたまには食べたいんですよー」
ママ「え?ミートソース以外の」
息子「ミートソース以外のーご飯」
ママ「・・・素麺ならすぐできるけど」
息子「んーと、お肉がいんですよー」
ママ「はぁ、さようですか・・・」
息子とっくに物心ついてました。
語尾が「です」になって、気を遣われてました私。
彼は単に物心がついただけでなく、優しさと思いやりまで持ち合わせているではありませんか、何ということでしょう!!
と親馬鹿している場合ではなく、
さぁ〜てと。
子どもメニュー、ノープラン。
ならば、予定通りの大人メニュー #スライスズッキーニと豚肉のにんにくポン酢、を出しました。(インスタで検索できます)
気持ち薄味、気持ち具を細かくして。
息子、ペロリ。パクパク。
途中、牛乳。再びパクパク。
以降、ゴクゴクとパクパクの繰り返し。
ひげ牛乳の彼は、普通に食べ終わりました。
息子「ごちそうさまー。TV見ていーい?」
断れるはずもない、私・・・
息子はママ美味しいよと私を労い、
ありがとうごちそうさまとお礼を言ってくれました。
ありがとうごちそうさま
これ一番言って欲しいフレーズ♡
息子の魔法の言葉で、
長い長いコンプレックスの黒歴史に幕が降りました。
コンプレックスって心の傷でもあるから、なかなか、ね、消えるってことは無いかもしれないけれど。傷痕は残ってても痛みはしない、ってとこでしょうか。
それでよし。
今日は私のズッキーニ記念日。
2020年7月11日ふみっ記