先日、外出先のビルが停電しました。
私がいたのは7階。
フロアに流れていたノリノリなラジオが止まり、館内消灯、エレベーターも停止。
日中でしたが、老朽ビルだったせいか薄暗くて急にシーンと静かになりました。
その場に居合わせた人たち15名くらい。
ほぼ知らない方々。
会話が無いせいか、息づかいまで聞こえそうなほど静かな時が流れました。
私は不安になると饒舌になるタチなので、見知った人がたった一人だけいて、その人目掛けて喋りました。
話すと落ち着きます。
「停電ですね」
「停電ですね」
こんなシンプルな会話が何と精神安定剤になることか。
15分後に電気がつきました。
結構、長かった。
エレベーターの中にいなくて良かったぁ。
トイレをもよおさなくて良かったぁ。
「電気つきましたね」
「電気つきましたね」
静かなビルは不気味で
どこかの国から核が飛んでくるんじゃないか
東京全体が停電したら
子どもたち
病院の予備電圧
渋谷区の避難所は青学
災害マップ玄関にある
とか何とかグルグル頭を巡りました。
東京では、めったにない静寂。
静かな東京って、らしくないから心地が悪いんだわ。
要らない音とか
要らないネオンとか
ホントはたくさんあるんだけど
東京は今日も動いている
3.11の時
節電が流行ったけど
あれは何だったんだろう
停電の約15分間
まるでスローモーション
時間の軸が歪んだような感覚
すっと我に返って、3.11のことを思い出せた。
あの日の魂たちが、ビルを停電させたのかしら。
3.11を忘れないように
黙祷
2021年3月5日ふみっ記