写真は2023年の今年も開催された代々木の杜ぼんおどりです。

 

産後はじめて浴衣を着ました。YouTube着付けでしたが、昔々に着たことを手が覚えていて驚くほど簡単に着られました。もう着ただけで嬉しかった!

 

去年と同じ櫓に上がって、故郷の『炭坑節』を含む三曲を踊れて満足しました。

 

 

 

この夏は四年振りに帰省しました。

 

“四年振り“って今年の言葉ですね。夏祭りや花火大会に海外旅行も何かと四年振りという冠をつけて盛り上がった2023年の夏でした。

 

去年は泣く泣く帰省を諦めたり中止した友人たちも、今年は各地の旅行写真をLINEしてくれてウキウキしました。

 

しかし一方で、わたしの帰省には夏休みのバケーション感はまるで無くて、目的は実家と墓のW仕舞い。

 

息子は小学3年生になり、娘は1年生で初めての夏休みです。

 

二人ともが小学生になったことで子育てはだいぶ楽になりました。だからこそこのタイミングで実家も墓も仕舞ってしまおうと粛々と計画を立てていました。

 

息子の妊娠から娘の出産まで両親が他界したりコロナ禍があったりで、わたしは現実に社会問題にもなっている空き家問題を抱えていました。

 

誰も住まなくなった九州にある実家を相続したのです。

 

欲しかった子供を授かり幸福な人生になる予定が、とんだ不幸が次から次へと起こりました。なぜわたしの幸せを邪魔されるのか怒ったり泣いたりして、ついには無になるという散々な日々です。

 

それらが人生の醍醐味だなんて知る由もなく、ただ地獄だ最悪だと捻じ曲げていました。

 

出来事をそのまんまには受け止められなかったのです。

 

特に実家の空き家問題はどこにも誰にも相談できず、たぶん相談の仕方さえも分からなくて困った状況がずっと続いていました。

 

夜なんて渋谷の自宅で寝ているのに、まるで幽体離脱みたいに魂が九州の実家に行ってしまうのです。悩みは睡眠不足という形でちゃんと不調を訴えてくれました。

 

まんまと悪循環に陥り悩みからのストレスでSNS中毒になりまして、ネット広告か何かでタレントの松本明子さんの本『実家じまい終わらせました!大赤字を出した私が専門家とたどり着いた家とお墓のしまい方』を知りました。

 

ケータイスクロールするその指ですぐに渋谷区の図書館にお取り寄せのWeb予約をして、予約資料取置のメールを受信したらまたすぐにママチャリを走らせて貸し出し窓口へ。本を借りた日の夜には読了。

 

実家仕舞い という言葉は救世主になりました。自分の行動に名前がついたことで、わたしはとても安心できたのです。

 

二十代後半ちまちま続けていた実家の片付けと掃除、三十代後半から四十路越えてのセンチメンタルな親の遺品整理、それから空き家になった途端に拍車がかかった粗大ゴミの処理。

 

44歳の今夏は“ごみ分別促進アプリケーション“をダウンロードして、可燃性資源ゴミ、不燃性資源ゴミ、燃えたり燃えなかったりするゴミを瞬時に分別して、行政の指定するリサイクルプラザまたは環境センターといった施設へ車と人の手とお金を使って、スムーズに捨てられるようになりました。

 

わたしは実家を整理管理するプロになったのです。

 

そしてそのことを世間では「実家仕舞い」と言います。

 

図書館の『実家じまい終わらせ…』本には一緒に帰省してもらいました。御守りみたいな存在です。

 

今回の帰省ではコロナ禍で先延ばしになっていた母の納骨をします。

 

渋谷で看取った母の遺骨を、九州の山奥にある先祖代々の納骨堂に納めるのです。

 

遺骨と本を機内持ち込みにして、四年振りに飛行機に乗りました。

 

(墓仕舞いのことは、またこれから書きます。)

 

 

 

 

家族を乗せた飛行機は無事に到着_

 

 

手荷物受取場でスーツケースが流れ出てくるのを待ちながら、四年振りの空港を懐かしく見渡しました。

 

あれ、なぜだろう何だか老夫婦が多いような気がする。

 

どこも高齢化ね。

 

いいえ、孫の帰省を出迎えるおじいちゃんとおばあちゃんで空港はいっぱいだったのです。

 

へえ、幸せな光景だなぁ。

 

と、外に出ようとしたら

到着ゲートが開いた瞬間でした_

 

 

 

わたしには出迎えてくれる人がいない

 

父も母ももうこの世にいない

 

 

 

息が止まるかと思った。

 

 

18とか26とか30とかいろんな年代のわたしが集まってきて

 

時空間ふわふわ

 

 

急に立ち止まったわたしを夫と息子が追い越しました。

 

「ママー」

 

耳の奥の方で息子の声がしました。いや、娘か夫の声だったかもしれない。とにかく誰かがわたしを呼び戻しました。

 

 

 

あぁこの人たちがいてよかった

 

 

 

そのゲートを境に、わたしの実家仕舞いが本当に始まりました。

 

バン!って、陸上のスターターピストルが鳴ったあの感じです。

 

売るのか、貸すのか、更地にするのか、そもそも価値などあるのか、はてさてどんな結末を迎えるのでしょう。

 

終活という言葉にはまだ若い年齢です。人生の棚卸しというのであればしっくりきます。

 

スイミーを卒業した今、スイミーブログに何を書いたらいいのか思いつきませんでしたが、実家と墓のW仕舞いや親の介護は誰にでも起こりうる事かなと思います。新生児を迎えたばかりのママ向けサイトにマッチしないかもしれませんが、また読んでもらえたらうれしいです。

2023年9月1日ふみっ記

TOP