といちゃんは、わたしの4歳児娘。
娘の名前に、「と」の字も「い」の字も付いてないのに、
といちゃんは、といちゃんを、といちゃんと呼ぶ。
といちゃん成長の記録、第一回目はPCR検査を受けたお話。
結果は、見立て通りの陰性。
それはちょうど、2回目の緊急事態宣言の最中だった。
▶︎▶︎
2021年3月某日
といちゃんは、濃厚接触者に分類されてしまい、保健所から2週間の自宅待機ルールを言い渡された。
電話は保健所からではなく、渋谷区に委託されたPCR専門かコロナ対策か何かの代行業者からかかってきた。
と思う、たぶん。
気が動転していて、当時の記憶は曖昧。
かつ、手書きメモは既に廃棄してしまった。
その電話、相手の顔がたとえ見えなくても、信じられた。
PCR検査のご案内詐欺は、まさか無いだろう。
といちゃんの検査場所は、JR総合病院だった。
JR総合病院に駐輪場は無い。
ご注意ください。
正面玄関から腰を低くして入ったら、警備員さんに見破られた。
さすが病院関係者。
濃厚接触者を判別できる警備員さん。
宝探し風の、PCR検査入り口地図を渡された。
秘密の場所は、ぐるっと回って反対側だった。
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トホホ
といちゃんを連れて、踏切を2回渡って、ぐるっと反対側に行くのに、ものすごく時間がかかった。
さすが4歳児、分速6歩。
季節は春、といちゃん道端のツツジを愛でる。
検査時間ギリギリ、入り口には汗だくで滑り込みセーフ。
インターホンの押し方、名乗り方、ご案内通りの手順で自動ドア開けゴマ。
Opened.
そこは、とても静かだった。
スキップルンルンといちゃんを制して、粛々と受付へ直行し書類に記入した。
受付の方のリスクを想像すると、頭が下がった。
拝借した消毒済み鉛筆にも、頭が下がった。
PCR検査の順番を待つ待合室に入ると、そこには、
といちゃん(2)へ続く。
2021年5月7日ふみっ記