ピ、ピ、ピピ、ピピ、ピピピ、ピピピーっと、リサイクるんで頂いた目覚まし時計が鳴る。
スヌーズ阻止のため電源をOFFに。
上半身を起こして、つぶやく。
「パパ、ママ、朝だよ」
妹を起こさないように、そっと親を起こす。
トイレ、洗面所、歯磨き。
冬は暖房のスイッチを入れ、靴下をはく。
前の晩に選んでおいた服を着て、寝癖を直す。
ランドセルの中身を、もう一度確認する。
ランチョンマットの替え忘れに気づく。
食卓へ移動。
水筒を用意。
朝は電子機器(TV、タブレット、ケータイ、音の出る物類)禁止。
ママはカーテンを開ける。
まだ、しっかりと眠い。
冷蔵庫から牛乳をとり、コップにそそぐ。
朝ごはんを食べたら、食器をさげる。
玄関で、立ったまま靴を履く。
ハンカチ、ティッシュ、マスク。
ポケットに昨日のハンカチを見つける。
「ママごめん、洗濯機(に入れといて)」
アウターを着る。
ランドセルを背負う。
校帽を被る。
肩に水筒。
このシーンが一番かっこいい。
「行ってきます。ママ大好きだよ。」
「行ってらっしゃい、大好きだよ。
いっぱい勉強しといで。」
ママ、チューをこらえて見送る。
以上、朝の30〜45分間の描写。
息子は小学2年生。あと、たったの1ヶ月で3年生になる。
私は3年生で親離れした。彼を見ていると、自分を思い出す。
カウントダウンの電光掲示板、突如出現!
渋谷スクランブルスクエアの大型ビジョンに【愛息子さんの巣立ちまで、あと●●●日】って幻覚を見る。
息子は言葉も遅く、集団遊びも遅く、暴力を抑えるのも遅く、読み書きも遅かった。
観察の結果、周囲?平均?よりも
2年?ばかり?遅い。
遅い、と思い込んでいるのは母親の私。
2年というのも、私の感覚。
初めて母になった私の思い込みは、そうやすやすと消えない。
2年遅いと思うなら、
2年待つことにした。
彼は2年待てば、できる。
彼はできる、と信じた。
年長さんで10時登園の常習犯で厳重注意くんだったのに
歯磨きも着替えも面倒くさくて嫌いだったのに
牛乳はこぼすし、食器は出しっぱなしだし、食べこぼしも、、
靴のかかとを踏んづけて履いたり、
服のボタンは私がとめてやっていた。
その彼が2年後_
冒頭のような朝を迎えられている。
私はきっちり2年待った。
6歳、7歳、8歳なう!
しかし_
しかしだ。
生活習慣の次は、お勉強が課題。
『こくご』
2年生の漢字を覚えた分、1年生のを忘れた。
彼は脳内を「上書き」してしまった。
もうすぐ3年生なのに、1年生の漢字を練習している。
『さんすう』
2年生では九九をやる。
九九を覚えないと3年生になれないよ!と親から嘘をつかれている。
「ろくに、じゅうはち!」
彼はあと1ヶ月、必死で九九を頭に叩き込む。
私は彼を待つ。
4年生で九九ができることを、ただただ願っている。
2023年2月28日ふみっ記