次の問の⬜︎⬜︎⬜︎をうめよ。

[問1]実家仕舞いとは⬜︎⬜︎⬜︎である。

 

 

 

気がつけばこの問題に向き合って丸8年目。

 

わたしの回答は「親孝行」です。

 

実家仕舞いとは親が亡くなってからもできる親孝行である。

 

さて、この答案は正解かしら。これから実家仕舞いをやりながら自分で自分に丸をつけていくことにします。

 

 

 

実家を相続してから始まるのが実家仕舞いです。イメージはこんな感じ。

 

相続
→納税開始
→家を知る
→物を断捨離
→建物と土地の処分
→納税終了

 

納税の終了がイコール実家仕舞いなのかは、まだよく分かりませんが、家がある限りずーっと税金を払い続けるのは事実です。

 

 

税の話を抜きにしても、実家仕舞いが身に降りかかるとマジ大変です。想像を絶します、だからこそ本にもなる。(前回ご紹介した、タレントの松本明子さんの本『実家じまいおわらせました!』)

 

どうして大変なのか。きっと年齢のせいだと思います。当たり前のことですが、親が老いれば同じく子(私)も歳を重ねます。

 

実家仕舞いのスタートラインに何歳で立つのか。その時に、ちゃんと体力があって健康でいるのか。

 

親の寿命は誰にも分かりませんが、でもせめていつ相続するのか予想がつくのであれば、そのスケジュールを自分でコントロールすることが後の自分を助けるように思います。

 

先述の松本明子さんは実家仕舞いに25年かかったそうです。

 

わたしは既に今日まで8年かかっています。その半分は空白の4年間。

 

この夏、コロナ禍が明けて4年ぶりに帰省しました。

 

 

 

帰省前日に市役所から「どこからか水漏れしているので水道を開栓できない」との電話が。

 

立ち込める暗雲_

 

実家は空き家ですが、電気は止めていません。
水道は止めていて、市役所に電話1本で使えるようになります。

 

しかし4年も放置していたせいなのか、水漏れトラブルが発生しました。

 

修理工事が必要なレベルだったらどうしよう、帰省中ずっと水を使えなかったらどうしよう、と飛行機の中でものすごく不安。

 

空港に着いて早々に市役所へ電話して、実家の到着時間を伝えて、空港からレンタカーをぶっ飛ばして。

 

郷愁に駆られる隙もない。

 

実家でわたしを歓迎してくれたのは、初対面の水道業者さんでした。

とうとう水漏れ箇所は分からず、特に心配することはない量でした。

 

水道は無事に開通しました。

 

水が出て良かったぁ〜
けど、どっと疲れました。

 

不安って体力を消耗させます。

 

この業者さんと方言で会話した時に初めて郷愁を覚えました。

 

そして突きつけられる現実_

 

わたしには

 

疲れたからといって横になって休める実家はもうない。温かいお茶を出してくれる母はもういない。

 

今はわたしが母であり、この家の主人です。

 

とにかく実家を掃除して、家族が滞在中の生活空間を確保しなければ何も始まりません。

 

 

本来の帰省コースは、

空港

→地元スーパーで夕飯と日用品の買い出し

→実家を掃除して生活空間をつくる

 

 

しかし、今回は流れが狂ったため、
空港

→実家の水道を通す

→掃除

→スーパーの買い出し

 

 

休む間もなく掃除スタート!

 

 

空き家といえばよくテレビや映画で蜘蛛の巣と埃まぶれの古い屋敷が登場します。

 

例えば、イギリス諜報員ジェームズ・ボンドが活躍する映画007にも彼の生家が登場します。

 

2021年公開の『007スカイフォール』は、シリーズ23作目、ダニエル・クレイグ版の3作目です。

 

スカイフォールとは彼の生家のある地名。久しぶりに帰ってきたボンドも先ずは掃除を始めます。

 

わたしはこの映画を見た時に「わぁ実家の掃除、大変」と思ってしまいました。

 

そしてエンディングの容赦ない実家の終い方に笑ってしまいました。

 

辛い記憶をエンタメに昇華する007、好き。

 

 

 

わたしの実家はスカイフォールと違って埃だらけではなくヤモリでした。

 

ヤモリの根城に人間がお邪魔させていただくような状態。

 

ヤモリの糞も家中にあって、呼吸も苦しい。靴下の裏は見ないようにしました。

 

生き物が好きな息子は、ヤモリの館に大喜び。目を輝かせて大興奮でヤモリを捕獲しまくりました。

 

一方の娘は、前回の帰省が2歳なので覚えておらず、このヤモリの状況にドン引きしていました。

 

夫婦無言で汗だくで掃除をしました。これから夕飯の買い出しがあるので大急ぎです。

 

トイレ、風呂、台所の水回りを掃除する夫と、居間から寝室までの動線を掃除する妻。

 

結婚して12年、干支を一周して初めて息がぴったりと合いました。

 

夫とわたしが違っていて良かった。気になる所、きれいにしたい所が違うので、総じてきれいになりました。

 

実家を人間の生活空間にするのに3時間かかりました。

 

汗だくの両親をよそに、すっかりヤモリと友達になった息子。いた仕方なく、2匹だけと限定して飼うことを許しました。

 

追い出したヤモリを再び飼育するという矛盾。

 

 

 

そんな感じでようやく帰省スタートです。

 

 

 

空き家問題
1)故障したり劣化する
2)汚れるから掃除が大変
3)物騒だからご近所さんにも迷惑

 

 

 

物騒については、また次回。

 

実家の空き家に泥棒が入ったことも、わたしが実家仕舞いを決断した理由です。

 

 

 

 

 

 

 

2023年9月7日ふみっ記

TOP