【主な登場人物】


グラニーさん(77)私の母。


私(41)グラニーさんの娘。
デュードさん(77)故人、グラニーさんの夫、私の父。

 

【前回のあらすじ】


療養型のナブー病院(仮称)に入院することになったグラニーさん。彼女には、5年前に急逝したデュードさんという伴侶がいました。私とデュードさんは“死生観”についてよく語らう父娘でした。


 

2020年10月1日(木)

 

6:00am 起床
iPhoneのアラームよりも先に目覚めてしまいました。
お化粧と着替えをゆっくりと。
明るい色のスカートにしました。

 

7:00am 出発
予定通りの電車に乗れました。
眠いけれど乗り換えがあるので、しっかりしなきゃ。

 

8:00an 朝食
駅近にタ●ーズを発見。すぐ入れて、温かいクロワッサンサンドと豆乳ラテを。

ここでようやくスイッチON!

 

8:30am 老人ホームに到着
グラニーさんは朝食中。
私は、お部屋の確認。持ち帰る物と残置物を仕分け。
5年間お世話になりました。母を安全に生活させてくれてありがとう。

 

9:10am 老人ホーム退去
特に菓子折もなく、ごめんなさい。
施設の方に「ありがとうございます」と頭を下げるだけで精一杯でした。

 

移動

グラニーさんは介護タクシーのリクライニング車椅子で揺られながら、ずーっと何か喋ってました。
右手はピアノを弾いていたので、まぁ悪くない気分なのかな。
グラニーさん、1時間の車移動よく頑張りました◎

 

10:10am 病院到着
バタバタバタ

タクシー代金の精算と、
受付でいろいろ。
・介護保険負担割合証
・介護保険被保険者証
・特定医療費受給者証
・入退院時のご案内
・入院保証金

・ついでに渋谷区の高齢者インフルエンザ予防接種票

 

病棟に移動して、
責任者の看護師さん、担当ドクター、介護士さんと看護師さん、栄養士さん、と入れ替わり立ち替わり。
書類とサインの繰り返し。
・急な病状変化時の治療に関する確認書
・入院時確認書
・入院診療計画書
・CT検査同意書
・入院されましたご家族様へ2枚
・入院生活危険度アセスメントスコアシート
・看護計画用紙4枚
・身体拘束廃止に関する病院の考え方
・オンライン面会開始のお知らせ

 

 

そして最期に、
Dr.「何か他にございますか」

 

はいはいはいはい、ありますとも!

私「彼女の爪が伸びていているので」
Dr.「あ、大丈夫ですよ。医師は切りませんが、看護師が」
私「いえ、あの、私が切ってはいけませんか。母と会える時間はあとどのくらいでしょうか」
Dr.「あぁ、娘さんがですね」
今度は先生と看護師さんがバタバタバタ

 

お手数をおかけし大変申し訳ないのですが、
爪切りだけは、どうしても譲れなかった。

 

私は除菌と手袋とビニールエプロンを装着して、最後になるかもしれない爪切りチャンスを頂きました。

 

 

グラニーさんは、とうとう私の名前を呼ぶことはありませんでした。
代わりに、私が何度も名前を呼んであげました。
そして抱っこも。

 

したのか、されたのか、よく分からない抱っこになりました。

 

私を抱くグラニーさんの腕力は、なかなかのものでした。

 

 

グラニーさんのことは、いつも下の名前で呼んでいたので、久しぶりに「お母さん」と言いました。

 

他にも感動的なフレーズを連発したかったんですが、昼食が運ばれて来て職員の方が5-6人来ちゃったもんだから、あんまりドラマチックにはなれませんでした。

 

 

コロナ禍でオンライン面会しかないので、
やっぱり私の気持ちは“今生のお別れ”なんですよね。

 

 

1:25pm 帰宅

スイミーのグループLINEして、
スイミーブログに投稿しました。

 

ここが今日の私のゴールです。

 

ここがあったから、入院頑張れましたよ!

 

『グラニーさんのお話』を読んでいただき、ありがとうございました〜♥

 

 

 

 

 

追記;ここで最終回の予定でしたが、つづきました。

2020年10月1日ふみっ記

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