第04話『鈴と小鳥とそれから私』
みんなちがって、みんないい。
あまりにも有名な一文。金子みすゞの詩。
みすゞブームが起こった当時、私は詩よりも著者のお名前「ゞ」の字に目が止まった。
「ゞ」に正式な読み方は無い。
単体では意味を為さず、
二文字目以降の代用文字。
言語オタクは、こうゆうのにくすぐられる。
写真は渋谷区宇田川町【虎視眈々】の爪楊枝。
この店のチキン南蛮は世界一美味い!
渋谷の東急ハンズの近所にあるお店。
この爪楊枝、私には逆さまに見えた。
私「おいおい、これこれ」
夫「爪楊枝」
私「どゆこと」
夫「取り易いようにじゃない?」
私「コロナ禍で逆さまにするかねぇ」
夫「さぁ」
私「間違えたね」
私の想像はこう
✱.˚‧º‧┈┈┈┈┈┈┈┈┈‧º·˚.✱
爪楊枝の習慣が無い国出身のアルバイト君
どっちが上でどっちが下で、何に使う物かどうやって使う物か分からない。
バイトリーダーに「それやっといて」と命じられるがまま容器に入れた。
だから間違えた。
彼はバイトリーダーに怒られてしまうのではないか、店長に告げ口され帰国をよぎなくされるのではないか。
私はバイト君の母の身になり、そわそわ。
✱.˚‧º‧┈┈┈┈┈┈┈┈┈‧º·˚.✱
私「お店の人に言おうか?」
夫「何を」
私「逆さまですよって」
夫「やめろよ」
私「だってさ」
夫「違うよ、これは___」
卒園ムービーの係ですったもんだあった。
言霊とは恐ろしい、、、序破急の破を自ら起こしてしまった。
私はあろうことか係の園ママ友に、、、
キレた。
私は間もなく42歳。何やってんだ、、
私は卒園ムービーを作る係。
コロナ禍でたかだか30分しかない式典だ。
そこで上映するムービーは、たかだか5分程。
ムービー係のグループLINEで、アイデア出しをする内にヒートアップ。
私の右手の人指し指は止まらなかった。
LINEで暴言を吐いた。
LINEは突如として武器になった。
理由とか経緯とか、
何を書いてしまったかを乱暴に省いても、
結果、私はママ友を傷つけた。
何てことをしたのだろう
送信削除
できないのよ〜これが。
私の愚行LINEは残ったまま。
そこからはひたすらに謝罪した。
それもLINEで。
LINEに誠意を伝える機能など無い。
さて、困った。
森会長は東京五輪組織委員会を辞任しなかったけれど、私は辞任した。映像編集を交代した。
ぽかん、と心に深く大きな穴が開いた。
その日は晴れていた_
スイミー事務局が久しぶりに集う日。
一人は早弁かき込みながら、
一人は直射日光を浴びながら、
一人は注文したはずのエビチリがエビの卵とじ弁当になっているのを食べながら、
ソーシャルディスタンスを保っても
心のディスタンスは近いスイミー事務局。
みんなが私を労い、なぐさめてくれた。
早弁のmikanさん
陽だまりのtakaeさん
エビ違いのスイミーさん
泣いちゃう私
まるで四人姉妹。
誰が姉で誰が妹か分かんないけど、
彼女たちに話をするうちに、
あぁ私は卒園ムービーをこんなにも作りたかったんだなぁ〜
空は青いなぁ〜
と思った。
空に問うた。
Q.卒園ムービーは誰のために作っているの?
A.愛息子です
スイミー仲間に打ち明けたことで、心の整理が少〜しずつついてきた。
愛息子のためにムービー係を続けたい。
映像編集はできなくても、私にもやれることはある。
とにかく繰り返し謝罪しよう。
そして、係の仕事を進めよう。
私は恥ずかしいままグループLINEを続けた。
私以外のお二人は大人だから、淡々と返信をくれた。
楽しかったはずの作業は、残念ながら「業務」になってしまった。私は彼女たちから楽しみを奪ったんだと思う。
長いので、次のページへ
2021年2月5日ふみっ記