第05話『水星逆行』
こじれた卒園ムービー係。
その一方で、園の全体LINEのピコピコは爽やかで優しく楽しげに聞こえた。
お若いのに冷静で信頼のおけるしっかりした会計ママさん。
センス抜群の寄せ書きアルバムのママさん。
愛と情熱の司会ママさん。
ピコピコLINEは、卒園準備が進んでいることを伝えてきた。
さて、こじれた私のムービー係。
進んでいるような、もやぁっとLINE。
前回の爪楊枝の話に戻る。
爪楊枝の謎を解いたのは、夫だった。
私は惚れ直した。彼と結婚して正解だったとさえ思った。
チキン南蛮を早食いし、千切りキャベツを1本も残さず平らげた彼は、爪楊枝を1本抜き取って見せた。
その姿は、古畑任三郎役の田村正和さん。
爪楊枝の正体は_
逆さまの犯人は_
私が想像もしていない物だった。
私はソレを初めて見た。
今泉が古畑におでこをはたかれた気分だった。
霧は突然に晴れた!
もやぁもやっと業務として続いていたムービー係のLINEが、スルスル〜っと急に気持ちが通じた!
ムービー係は、赤さんと青さんと私の三人。
グループLINEを始めてすぐに、ムービーの制作内容をLINEノートに保存していた。
ノートを書いたのは私。
赤さんと青さんは、ノートを読んでいなかった。
おっと。。。
ことの初めっから三人はズレていた!?
三人同時にハッとなり
あの時のあのトラブル、あの気持ちのすれ違い、根本的な誤解、点と点がスルスル〜っと線になった。
そこからは早かった。
たちまちにLINEは、どこでもドアに。
LINEの中で名前を呼び合い、まるで抱きしめ合った。
仕舞いには互いに「アホね」と笑い合った。と思う、LINEだから顔は見えないけど。
私は驚いた。
赤さんは「アホ」なんて言葉を使わない上品なママさんだから。
彼女は改めて質問してくださった。
「ふみさんは、作りたかったんだよね?」
即答LINE
「そう!私は作りたいーーーーーーーー」
即答リプライ
「じゃあ、ふみさん、作ってくれる?」
分かれた彼女と元サヤ気分。
私は再び卒園思い出ムービー作れることになった。チャンチャン
2021年2月5日ふみっ記