2022年9月14日
【全文掲載】児童養護施設の若草寮様より
社会福祉法人わかくさ会
児童養護施設 若草寮
施設長の加藤様より頂戴いたしました
「推薦文」を、ここに掲載いたします。
本来は、とある提出先への文章なのですが
我々事務局スタッフ一同、大変に感激しております。
感謝申し上げますとともに、ぜひここに掲載させていただきたくお願いいたしました。
「競走から共創の社会へ」と、TVから2022年を表したキャッチフレーズが目に飛び込んできました。
スイミーは今年度の活動を通して、今まさに共創社会を肌で感じています。
若草寮様とともに、これからも未来の子どもたちの幸せを創造していきたいと思っています。
ここから本文
若草寮は渋谷区幡ヶ谷にある児童定員30名の児童養護施設です。
昭和49年から運営され、もうじき開設50周年を迎えます。
児童養護施設は、今まで入所している児童やその家族を支えていくことが大きな役割でしたが、
国はこれからの児童養護施設に対して地域の子育て支援に取り組んでいくことを期待しています。
若草寮としても地域の子育て支援に取り組んでいきたいと考えていましたが、どこから始めれば良いのかを考えていたところ、
区内の里親さんを通じてNPO法人ふれあい子育てサロンスイミーさん(以下スイミーさん)と出会いました。
打ち合わせを行い、お互いのニーズが交わって意気投合し、とんとん拍子で話が進んでいきました。
今はスイミー児童館+こどもカフェというネーミングで、月に1回平日の10時~12時の2時間に乳幼児を育てている母子が若草寮のコミュニティホールに来てもらって、
保健師さんや保育士さんなどに子育ての悩みなどを聞いてもらい、お母さん同士も交流ができる場を作っています。
若草寮の職員もスタッフとして活動に参加しています。
今まで5月、6月、7月と3回開催しました。
特に印象に残っているのが、7月の会です。
この日は朝から大雨で、準備のために集まったスタッフさんからは
「この天気だとお母さんたち来られないかもね」という声が聞こえていました。
しかし、結果的には7組の母子が参加されました。
私が一人のお母さんに、
「雨の中大変でしたね」と声を掛けると、
「一日中家の中にいることの方がしんどいので」という答えが返ってきました。
この時にお母さん一人ひとりが苦労しながら子育てをしていることと、こうした取り組みの必要性を改めて強く感じたことを覚えています。
今は月1回の開催ですが、今後は月2回にするなどの準備も早速始められています。
今の社会は子育てに関して「親がやる」という意識が強く感じられます。
そして、多くの方はそのプレッシャーを意識的にも無意識的にも受けながら子育てをしています。
「親になれば子どもを育てられて当然」
「親なら育てられなきゃいけない」
ということは一見当たり前のように聞こえますが、
親になったから誰でも子育てが上手にできるなんてことは幻想です。
子育てがうまくいかず、困ったときには安心して声を出してよいことを伝えることがまず重要なことです。
それと併せて、家庭一つ一つの形は違いますので、ニーズに合わせて社会が適切な手助けをすることによって、多くの人が笑顔になって、健康的で幸せな生活に近づいていけると考えています。
スイミーさんの活動や姿勢はまさにこれらを実践されています。
お母さんたちと同じ目線に立って、励まし、助言をする。
集まった人たちがつながる機会になる。
悩んでいるお母さんたちに
「それでいいんだよ」
「大丈夫」
と言ってあげる。
多くのお母さんは自分の子育てに自信が持てないでいることが多いですが、
ここに来ただけで不安を和らげてくれるそんな場になっています。
また、スイミーさんの取り組みを聞いた様々な方から、自分たちも協力したいという反応が聞かれるようになりました。
子ども向けの巧技台を扱う企業、小学校で長年養護教諭をされていた方、子ども向けのワークショップを企画している団体など、
何かしたいけど、自分たちだけでは何ができるかわからない、と考えている方が集まってきています。
そうした人々の思いや力を集めていくことで、一人ではできない継続的な活動にもつながっていくことも想像しています。
こうした取り組みが多くの地域で行われれば、社会にとって「未来そのもの」である子どもたちを健康的に成長させることと、
その土台となるべく日々奮闘しているお母さんたちを支えてあげられることになります。
上記のことから、NPO法人ふれあい子育てサロンスイミーさんを推薦させていただきます。
本文おわり
若草寮での
「スイミー児童館+こどもカフェ」
開催の様子は、こちらからご覧いただけます。
投稿者:スイミー事務局