入院から二週間後。

 

担当医との面談があり、“ついで”にグラニーさんにも会えました。

 

あれ…二週間前に、涙涙の今生の別れをしたばっかりだけど!?

オンライン面会じゃなくって、あっさりとリアル面会が許可されました。

特別だったのかしら

 

2m離れてのソーシャルディスタンス面会でしたが、

 

グラニーさん笑いました!

 


【主な登場人物】


グラニーさん(77)私の母。


私(41)グラニーさんの娘。

 

【前回のあらすじ】


グラニーさんの終の住み処は、ナブー病院(仮称)になりました。入院に持ち込める物は、靴とカーディガンと櫛だけ。彼女はただその身一つだけで、コロナ禍の今も生きています。


 

目を開ける力の無いグラニーさんは、横になったまま。
しかし、顔色は良さそう。

 

私「孫息子は、来年小学生になるよ」
母「モゴモゴ」
私「孫娘は、ピアノ習いたいって」
母「モニョモニョ」
私「孫は二人とも元気よ良い子よ可愛いよ」
母「モゴモゴ」
私「娘婿も元気よ、よく働く」
母「モニョモニョ」
私「何〜んにも心配することは無いよ、大丈夫だからね」
母「モゴモゴ」

 

最期に向けた治療の内容を確認した後、

 

私「あ!今度、渋谷区長さんに表彰されるよ」

 

グラニーさん、開眼。

 

私「渋谷区のご近所のママさん達とリサイクル活動をしててね、まだ使える子供服のお下がりを、次に使うママにお渡ししているんだけど、そのもったいない活動が良いことって認められてね、渋谷区長さんが大賞の1等賞をくれるよ」

 

母、声を出して笑いました。

あんまり笑うから、私も笑っちゃった。

 

 

こんな間際でも、おかげさまで親孝行ができました。

 

私の手柄じゃないけれど、母の笑顔が見られたから、リサイクるんやってて良かった、スイミーやって良かった。

 

日本人の「もったいない」を私に教えてくれた、昭和生まれのグラニーさん。

その「もったいない」を令和時代にも、つなげられて良かったです。
ギリギリセーフ、間に合ったって感じ。

 

 

渋谷サステナブル大賞の受賞は、本当に思いがけないご褒美でした。

 

毎日の子育ての延長にある”お下がり”の習慣。

 

特別でも何でもない当たり前の、昔からの習慣が【大賞】を受賞した訳ですから。

 

これは世のお母さま全員が称賛に値するってことです!

 

 

渋谷区やっぱり好き

2020年10月19日ふみっ記

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